こんにちは!
しいたと申します
今回は行動経済学についてご紹介したいと思います
最近こんな本を読んでみました

本書の僕なりの要約
相良奈美香の著書『行動経済学が最強の学問である』は、
行動経済学がいかにして人間の意思決定や経済的選択を深く理解するための鍵となる学問であるかを論じています。
本書は、従来の経済学が前提としている合理的な人間像に対し、
実際の行動がどのように非合理的でありうるかを解明することで、経済的行動の本質に迫ります。
著者は、心理的バイアスや認知の歪みが意思決定に与える影響を豊富な実例とともに説明し、
日常生活やビジネスにおける応用例も交えてその重要性を訴えています。
行動経済学の概念がどのように現代社会の複雑な問題を解決する手助けとなるかを示し、
これからの時代における最強の学問としての地位を確立するための理由を説得力を持って述べている本になっています。
非合理的な行動になるのはこんな理由があるからだ!
行動経済学によれば、
人間が日常生活でバイアスがかかり非合理的な行動をする理由は、以下のような心理的および認知的メカニズムに起因しているそうです
1. 認知的効率の追求
人間の脳は複雑な意思決定を効率的に行うために、
簡略化された判断基準やルール(ヒューリスティック)を使用します。
これにより、判断が迅速に行える一方で、バイアスがかかりやすくなります。
たとえば、利用可能性ヒューリスティックでは、最近思い出したり目立ったりする情報が過大評価される傾向があります。
2. 感情と直感の影響
感情や直感は意思決定に強い影響を与えます。
例えば、損失回避やプロスペクト理論は、
損失が利益よりも強く感情的に感じられるため、リスクを避ける行動を取ることが多いことを説明しています。
感情的な反応が意思決定を非合理的にすることがあります。
3. 有限な認知資源
人間の認知資源(注意力、記憶力など)は限られているため、全ての情報を精査することはできません。その結果、確認バイアスなどのバイアスが働き、自分の既存の信念や意見に合った情報を優先的に受け入れる傾向があります。
4. 社会的影響
人間は社会的な動物であり、周囲の意見や行動に大きく影響されます。
同調バイアスやフレーミング効果などが、他人の行動や意見に従いやすい理由を説明しています。
これは、集団内での調和を保つための進化的な適応とも考えられます。
5. 自分を良く見せたい欲望
自己評価や社会的な評価を良くするための傾向があります。
自己奉仕バイアスや過信バイアスは、
自分の成功を自分の能力によるものとし、失敗を外的要因に帰することで、
自己評価を保とうとする心理的メカニズムです。
6. 未来に対する過小評価
人間は長期的な結果を短期的な利益や快楽に比べて過小評価する傾向があります。
これにより、短期的な満足を優先し、
サンクコスト効果やメンタルアカウンティングなどが、非合理的な選択を促進します。
これらの要因が組み合わさることで、
人間は日常生活の中でしばしば非合理的な判断や行動をとりがちです。行動経済学はこれらのバイアスや非合理的な行動を理解し、改善するための有用なフレームワークを提供しています。
日常生活の中で非合理的な行動になってしまうバイアスの紹介
行動経済学で学ぶ「バイアス」には多くの種類がありますが、以下は代表的なものです:
- 確認バイアス(Confirmation Bias): 自分の信念や期待に合致する情報を優先的に探し、反する情報を無視する傾向。
- アンカリング(Anchoring): 初めに得た情報(アンカー)がその後の判断や決定に強く影響を与える現象。
- 利用可能性ヒューリスティック(Availability Heuristic): 思い出しやすい情報が、実際の頻度や重要性よりも過大評価される傾向。
- 代表性ヒューリスティック(Representativeness Heuristic): 物事や人物を特定のカテゴリーに当てはめる際に、実際の確率よりも代表的な特徴に基づいて判断する傾向。
- 過信バイアス(Overconfidence Bias): 自分の知識や能力に対する過剰な自信。
- 損失回避(Loss Aversion): 損失を回避することが、同等の利益を得ることよりも強く動機付けられる傾向。
- プロスペクト理論(Prospect Theory): 利益と損失に対する評価が非対称で、損失の方が利益よりも感情的に強く感じられる理論。
- 後知恵バイアス(Hindsight Bias): 事後的に見れば出来事が予測可能だったと感じる傾向。
- 自己奉仕バイアス(Self-Serving Bias): 成功を自分の能力や努力に帰し、失敗を外部の要因に帰する傾向。
- フレーミング効果(Framing Effect): 同じ情報でも提示の仕方によって意思決定が異なる現象。
- リスク回避(Risk Aversion): リスクを避ける傾向があり、リスクのある選択肢に対して過剰に回避的になる傾向。
- メンタルアカウンティング(Mental Accounting): お金や資源を異なる「アカウント」に分けて扱うことで、感情的な反応が変わる現象。
- 現状維持バイアス(Status Quo Bias): 現状を維持しようとする傾向、新しい選択肢を選ぶよりも現状を維持する方が選ばれる。
- サンクコスト効果(Sunk Cost Fallacy): すでに費やしたコストを理由に非効率な選択を続ける傾向。
- 同調バイアス(Conformity Bias): 周囲の意見に同調し、自分の意見や判断を変える傾向。
これらのバイアスは、私たちの判断や意思決定に影響を与え、しばしば非合理的な結果を招くことがあります。
自己奉仕バイアスや過信バイアスに関する面白い論文
行動経済学における自己奉仕バイアスや過信バイアスについての面白い研究をいくつかご紹介します。
これらの研究は、
どのように私たちの判断や意思決定が非合理的になるかを深く掘り下げています。
自己奉仕バイアスの研究
研究タイトル: “The Self-Serving Bias in Attribution of Responsibility: The Case of Corporate Executives”
研究者: Barbara A. Mellers, Jonathan Baron
要約:
この研究では、
自己奉仕バイアスが企業の経営者や管理職にどのように影響を与えるかを調べています。
自己奉仕バイアスとは、自分の成功を自分の能力や努力の結果として評価し、
失敗を外部の要因に帰する傾向のことです。
この研究では、経営者が企業の成功を自分の戦略やリーダーシップの成果と見なす一方で、
企業の失敗を市場の変動や外部の不確実性に帰する傾向が強いことが示されました。
特に、成功したときには自己評価を高め、失敗したときには責任を回避することで、
自分の自信を維持し続ける心理的メカニズムが明らかにされています。
このバイアスが組織のパフォーマンスや意思決定にどのように影響するかが議論されています。
過信バイアスの研究
研究タイトル: “Overconfidence and Risk-Taking in Financial Markets”
研究者: Brad M. Barber, Terrance Odean
要約:
この研究は、投資家の過信バイアスが金融市場でのリスクテイキングにどのように影響するかを探っています。
過信バイアスとは、自分の判断や能力について過剰に自信を持つ傾向です。
研究者たちは、個人投資家が自分の投資の選択が市場の動向を予測できると過信しがちであることを示しました。
具体的には、投資家が自分の予測の精度を過大評価し、リスクの高い投資に過剰に資金を投入する傾向があることが明らかになりました。
この過信が、短期的な利益を追求するあまり長期的な損失を招く原因となり、
市場全体のボラティリティを高める可能性があるとされています。
両バイアスの共通点と影響
自己奉仕バイアスと過信バイアスは、
いずれも個人の認知と行動に影響を与える重要な心理的要因です。
自己奉仕バイアスが他者との関係や評価に影響する一方で、
過信バイアスは主に自己の能力や予測の精度に対する過剰な自信から生じる問題です。
どちらのバイアスも、自己評価を維持し、リスクを軽視することで非合理的な行動を引き起こすことがあり、特にビジネスや投資の意思決定において重大な影響を及ぼします。
これらの研究は、行動経済学がどのように人間の認知バイアスを理解し、
より合理的な意思決定を促進するための手助けをするかを示す重要な例です。
まとめ
行動経済学の本を読んで興味を持ったので調べてみると人間は限りある人生を効率よく生きたいと思う反面、全く非効率な行動をとる生物だということは面白いですよね!
これからも、
もっと調べてみたいと思います
皆さんも知っていることがあれば是非教えてください☆
メッセージを送っていただけたらしっかり見させていただきます!