こんにちは、Kジローです!株投資をしている方であれば、一度は四季報を目にしたことがあるんではないでしょうか?
そこで今回はこんな人に向けて、優良株の探し方について詳しく解説していきます!
- 何を見たら良いのかサッパリ
- 優良株を見つけたい
- 四季報で企業分析が出来る様になりたい
前回の【第1段】を見逃した方はこちらからどうぞ!
四季報
目次
健全な会社はどう探す?
健全な会社とは
四季報を読みこなせば、健全な会社を見分けることも可能になります。その為に、まずは各項目の大まかな内容も同時に解説します。
一般的に健全な会社とは。
・財務基盤が安定
・売上高や利益を継続して成長させている
・株主に還元している(配当など)
会社は『お金を集めて』『投資して』『利益を上げる』この3つで成り立っています。
上場している会社は決算発表の際に以下の財務三表をまとめます。この三表を理解できれば会社の健全性を読み取ることができるます。
・貸借対照表(バランスシート、BS)
→→→どうやってお金を集めて、何に投資しているのか
・損益計算書(PL)
→→→どう利益を上げているのか
・キャッシュフロー計算書(CF)
→→→この一連の流れの中で、現金(キャッシュ)がどう動いたか
BSには多くの項目がありますが、四季報の『財務』では重要度の高い6項目が掲載されています。
・総資産…会社が持っている全資産で会社の規模がわかる
・自己資本…株主が会社に払い込んだお金
・自己資本比率…会社の安全性が分かる
・資本金…事業の元になる資金
・利益余剰金…過去にどれだけ利益を上げてきたか分かる
・有利子負債…どれだけ借金があるか分かる
資産と負債の考え方
BSは以下の3つで成り立っています。
・【資産】…会社は何を所有しているか
・【負債】…会社は何を借りているのか
・【自己資本】…会社の価値はいくらか
会社が売上高を増やすためには元手となる資産が必要になります。業種によっては工場、不動産・お客さんにきてもらう為の店舗などになります。
原材料を購入する為、必要になる現金や在庫などを含めて【総資産】といいます。
総資産
総資産は2つに分かれます。
・1年以内に現金化できるもの(現金、売掛金、在庫などの流動資産)
・現金化するのに1年以上かかるもの(機械、工場、土地などの固定資産)
資産の中で最も重要なのが【現金】です。
四季報には【CF】に現金同等物が載っています。
・元預金
・3ヶ月以内に満期が来る定期預金
・譲渡性預金
BS上の現金とは必ず一致するものではありませんが、規模が掴めます。
現金があれば
・借金返済
・取引先への支払い
など対応に困ることはありません。
負債
企業活動には資金が必要です。
なぜなら、工場作成や、原材料を買ったりする必要があるからです。
この中で、株主から集めたお金で足りない分は銀行などから借りる必要があります。
これが【負債】です。
負債にも以下の二種類があります。
・1年以内に返済する借金、買掛金(流動負債)
・返済に1年以上かかる借入金(固定負債)
特に覚えておいて欲しいのが四季報に出てくる【有利子負債】は、借金だということです。
・短期借入金
・長期借入金
・社債
など利子の支払いが必要な借金を足し合わせて【有利子負債】と掲載されています。
自己資本は株主のお金
自己資本は株主に帰属している資産がどれだけあるのかを示しています。その中身は
・資本金
→会社設立時に株主が支払ったお金
・利益剰余金
→過去に稼いだ利益が積み重なったお金(会社は毎年出た利益から株主へ配当、残りを利益剰余金として積み上げる)
会社は負債と自己資本を合わせて『お金を集めて』資産に『投資する』ことで利益を上げようとします。
資本金や利益剰余金は銀行などから借りた負債と同様に事業を運用するための資産に化けています。
よって
資産=負債+自己資本
が成り立ちます。
四季報にある資本金と利益剰余金を見れば概ねどういった構成で自己資本が成り立っているか分かります。
会社は株主に対し、配当という形で、利益を分配しますが、自己資本のうち資本金などは株主が支払ったお金のため、負債と違い返済義務も金利負担も発生しません。
よって、
【自己資本比率が高ければ負債に対する依存度が低く、財務の安全性が高い】といえます。
仮に自己資本比率が80%あれば、会社の持っている財産の8割は株主のものとだといえます。業種にもよりますが、【一般的な目安として3割以上あれば安全性が高い】とされています。
DEレシオ(負債資本倍率)=有利子負債/自己資本は、一般的に0.4倍以下は優良、2倍以上は危険とされています。
自己資本を増やす方法
自己資本を増やす方法は以下の通りです。
①純利益を積み上げる
②株主から新しくお金を集める
②の方法は
・株式市場で新たな株主を募る、公募増資
・特定の会社、個人に株を発行する第三者割当増資
増資をすると株数が増えるので、会社の価値が変わらない場合、1株あたりの株価は下がる傾向にあります。
株数の動きは『四季報』の資本移動で確認できます。
自己資本が減少
自己資本が減るケースは以下のような内容があります。
・純利益で赤字を計上
・自己株買い
会社が株式市場で自社株を購入すれば、自己株は自己資本に含まないので、自己資本比率は下がります。
利益剰余金
株主が受け取る配当金は利益剰余金から捻出されます。
赤字が継続して、利益剰余金が減ってくると減配や無配になります。
理由は自己資本が毀損され、経営に影響が出るのを防ぐ為です。
債務超過
債務超過とは、以下の状態を表す言葉です。
・赤字が続いて、利益剰余金がマイナス
・純資産そのものがマイナス
(四季報では、財務の自己資本に▲、業績の一株純資産に▲)
簡単にいうと
【手持ちの資産を全て売り払っても借金が返せない】状態であり、事業の継続が困難である事を表しています。
※債務超過になっても資金繰りが維持できていれば、事業の継続は可能です。しかし、1年以上続くと、(上場廃止)になります。
PLとCF
商品やサービスが売れても、お金がすぐに入ってくる訳ではありません。メーカーの場合、売掛金の回収に数ヶ月掛かることもあります。
そこでPL(損益計算書)とCF(キャッシュフロー)の2つを見れば会社の収支構造をより深く知ることが出来ます。
・PL…期間中の損益を表す
・CF…お金の出入りを表す
会社は赤字になっても倒産しませんが、お金がなくなると倒産します。ここで資金繰りを知るのに最適なのがCFです。
四季報には【キャッシュフロー】という項目で載っています。
CFは以下の3つのパートに分かれます。
・【営業CF】…本業から得られるお金を示す
・【投資CF】…工場、土地、有価証券などの売買で得られるお金を示す
・【財務CF】…銀行からの借入や返済、資金調達、配当など財務政策で得られるお金を示す
この中で特に、重要なのが営業CFです。
金融機関の安全性
金融機関の安全性
金融機関は独自の指標で健全性を判断します。上場会社の中でも
・銀行
・生命保険
・損害保険
・証券会社
などがあります。
それぞれ「銀行法」「金融商品取引法」「保険業法」などの法律の下、金融庁から独自の経営指標によって財務内容の健全性を維持する事が求められます。
理由は金融機関が
・決済システムの担い手であること
・預金や保険契約、株式などを通して「不特定多数の個人から資金を集めていること」
・金融機関の総資産が一般事業法人に比べ巨大であること
以上が上げられます。更に「万が一、経営破綻した場合、社会的に影響が大きい為、厳密に財務内容を監視する必要がある」という理由があります。
銀行は自己資本比率をチェック
自己資本比率は銀行にとって最も重要な指標です。
・国際統一基準行(BIS)…8%以上
・国内基準行(国内)…4%以上
上記の基準を割り込むと金融庁による早期是正措置が発動されます。
措置内容としては
・経営改善計画の提出、実施命令→→BISは4~8%(国内は2~4%)未満
・配当禁止・抑制、総資産の圧縮・増加の抑制→→2~4%(同1~2%)未満
・大幅な業務縮小、合併または銀行業の廃止→→0~2%(同0~1%)未満
実質的な債務超過といえる「0%未満」の場合は業務停止命令が下り、事実上の経営破綻に陥ったと見なされます。
生命保険・損保保険会社
生命保険会社と損害保険会社はソルベンシー・マージン(SM比率)が重要視されています。保険会社は将来の保険金に備え、責任準備金を積み立てています。
通常のリスクはこれで対応できますが、大災害など予想を超えるリスクにも対応できる保険金支払い能力を表します。
SM比率は200%で、下回ると早期是正措置が発動されます。
・改善計画の提出…100~200%未満
・配当の禁止・抑制…0~100%未満
証券会社
証券会社では【財務】に「自己資本規制比率」を掲載しています。
これは固定されていない自己資本を、保有有価証券の変動リスクや取引先と契約不履行になるリスク、日常業務上のリスクを合算したリスク相当額を割った指標です。
・内閣総理大臣への届け出…140%以下
・業務改善命令…120%以下
・3か月以内の期間に渡り、業務停止命令…100%以下
【財務】に書かれている「預かり資産」は顧客から預かり受けた
・株券
・債券
・投信
などの合計で顧客基盤の厚みを示します。
投資対象だけでなく、口座開設などで安全な証券会社を選ぶ上でも参考になる指標と思います。
まとめ
いかがでしたか?ここまで会社の基礎的なところや見方を書いてきました。基礎の部分はこれから四季報を読み解いていく上で知っておく必要があります。聞きなれない言葉が沢山ありますが、読み返す事で知識の定着に繋がると思います。
今後も役立つ情報を発信していきます。
次回の【第3弾】記事はこちらからどうぞ♪
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