こんにちは、Kジローです!株投資をしている方であれば、一度は四季報を目にしたことがあるんではないでしょうか?
そこで今回はこんな人に向けて、優良株の探し方について詳しく解説していきます!
- 何を見たら良いのかサッパリ
- 優良株を見つけたい
- 四季報で企業分析が出来る様になりたい
四季報の活用ポイントを解説した記事は【第1弾~】順番に作成しています。
前回の【第2弾】記事を見逃した方はこちらからどうぞ♪
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目次
損益計算書のツボ
損益計算書は一年間の経営成績
貸借対照表と損益計算書の関係性は以下のようになります。
【貸借対照表】
→期末時点の財産の状況(ストック)
【損益計算書】
→当期の期初から期末までの営業成績(フローにあたる経営成績)
当期の損益計算書は以下を繋ぐ役割を担っており、その仲介役が損益計算書の純利益です。
・前期末の貸借対照表
・当期末の貸借対照表
経営者は、株主から預かった財産である自己資本を、一年間の純利益を通じ、どれだけ増やすことができたかで評価されます。
純利益は株主価値を増加させますが、逆に純利益が赤字に陥ってしまうと、自己資本は減少し、株主価値は毀損されてしまいます。
四季報の【業績】は損益計算書の中核項目をベースに以下の6項目で作られています。
・売上高
・営業利益
・経常利益
・純利益
上記の項目に加えて
・1株益
・1株配
決算期の前についている文字は以下の意味を表しています。
・『連』…日本会計基準の連結決算
・『◎』…米国会計基準(SEC基準)の連結決算
・『◇』…国際財務報告基準(IFRS)の連結決算
・『単』…単独決算
・『変』…12か月以外の変則決算
業績は上段から
・本決算
・第2四半期決算(中間決算)
が並び、第1、3四半期決算が発表された後の号は、四半期決算の実績も掲載されています。
それぞれ決算期の前に計算方式に応じた以下の文字で区別します。
・『連』『◎』『◇』『単』
・『中』『四』
そして会社が業績計画を発表している場合は、最下段に会社業績計画を掲載し、決算期の前に
・『会』
それでは会社がどのような経営状態にあるのか『良い会社』『悪い会社』を見分けるポイントを見ていきましょう。
四季報は独自予想が最大の特徴
まず注目すべきポイントは決算期の後に『予』がついた四季報による業績予想です。
四季報は以下の流れを経て完成されます。
・記者は業種別に担当会社を決めており、同業他社も取材しているので他社との比較感から会社計画を検証。
・業種全体の景況感、景気全般の動向を目配りし、今期と2期にわたる独自予想を作成。
・四季報編集部の厳しいチェックを受けて完成。
上場会社のほとんどは、前期決算発表と同時に、現在進行中の期について業績計画を発表します。
実態が計画から大きく外れそうなときは、会社は計画の修正を発表しなければなりません。
その基準は以下の通りです。
・売上高で計画対比10%以上
・営業利益、経常利益、純利益は30%以上
振れが基準内の場合はもちろん、決算期途中での修正を避けようとする会社も多くあります。
四季報は会社計画をそのまま鵜呑みにして掲載することはありません。会社への取材過程で計画に
・根拠はあるか
・合理性があるか
・誤算がないか
上記を吟味し根拠、合理性があると判断すれば四季報と会社予想が一致することもあります。
しかし、ない場合は計画とは違う独自予想を掲載します。
来期の業績予想についてはもともと会社は発表していないので、四季報の2期目予想はすべて独自予想です。
売上高は利益の源泉
四季報の業績欄にある6項目の中で基本となるのは『売上高』です。
会社が儲かっているかを示すのは『利益』ですが、その源泉がなる売上高がないと利益はありえません。
以下のように成功する成長会社は『売上高』を伸ばしています。
・需要の変化をとらえて、国内販売を拡大
・成長市場を求めて、海外販売に力を入れる
・新商品や新規事業の育成、シェア拡大
しかし、売上高だけ伸びても、採算の取れない事業を拡大していれば利益がついて来ないだけでなく、赤字になってしまう可能性もあります。
そういった点から会社の経営状況を判断する際は、売上高を見ると同時に【売上高営業利益率】を確認することが重要です。
計算は【営業利益÷売上高】で出すことができます。
売上高営業利益率が高い会社は、競争力を備えた強い商品、事業を持った会社だと言えます。
・ネット企業
・サービス業
上記は売上原価がかからない事業なので、売上高営業利益率は高くなりやすいといえます。
営業利益、経常利益、純利益の違い
それぞれの利益の持つ意味と関係を解説します。
・売上高…利益の源泉。【売上数量×販売単価】
・売上総利益…製品や商品の販売そのものでどれだけ儲けがあったかを示す。【売上高-売上原価】
・営業利益…本業の儲けを示す。【売上総利益-販売費・一般管理費】
・経常利益…グループ全体の儲けを示す。【営業利益+営業外収支】
・純利益…当期利益、最終利益とも呼ぶ【経常利益+特別損益(臨時的な損益)】
営業利益は新の実力を示す
営業利益は本業の儲け
営業利益
営業利益は業績の中で一番重要な数字です。
なぜなら、営業利益が本業の『稼ぐ力=会社の実力』を表すからです。
会社が製品を作ったり、商品を仕入れて販売したとき、どれだけ付加価値を付け加えられたかを表す数字です。
売上総利益
売上総利益は在庫や減価償却費、研究開発費に注意してください。
期末の在庫を期初より増やすと売上総利益は膨らんで見えますが、その在庫は本当に将来売れるものかチェックする必要が生じます。
この場合は【キャッシュフロー】を見れば実際の現金の資金繰りを確認できます。
減価償却費
減価償却費も重要です。
工場の建物や機械などへの設備投資は減価償却という形で、ほの利用年数に従って費用計上します。
製造原価に占める減価償却費の比率が高いと、投資がまだ売上高に結び付かない時期は、収益が悪化しやすいですが、費用計上期間が終わると、営業利益が急回復する例も見られます。
研究開発費
次世代製品を生み出すために研究開発費が膨らんでも、その分、売上総利益は減少します。
こうした設備投資、研究開発費は翌期以降に会社の利益を生む、『種まき』と、とらえることができます。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費の販売費には、広告宣伝費や、販売促進費などが含まれます。これらを削ると
一時的に利益は押し上げられても、将来の売上高が伸び悩むことになるかもしれません。
一般管理費は主に、管理部門の人件費です。製造に関わる部門の人件費は基本的に製造原価に組み入れられています。
経常利益でグループ全体の実力を知る
経常利益は、本業+本業以外の儲け
経常利益は営業利益が示す『本業』に加え、その他事業活動を含めた、常日頃、経常的に上がってくる利益を表すものです。
営業外収支(その他事業活動)は以下の内容が含まれます。
・本業以外の収入や損失
・受取利息や、借入金などにかかる支払い利息
・為替取引による損益
周辺グループの損益状況もわかる
企業グループに含まれる関係会社には2種類あります。
・親会社が支配している子会社
・支配しているまでは言えないが、影響力を持つ関連会社
支配しているか、影響力を持つかの判断は基本的に以下の通りです。
・【子会社】…親会社による持株比率が50%超
・【関連会社】… 〃 20%以上
※それぞれの基準以下でも一定の事実があり、支配または影響していると判断されれば子会社や関連会社に位置づけられる。
連結決算では
・【子会社】…原則、全部連結。売上高、営業利益から上乗せ。
・【関連会社】…持分法により連結。
→→→純損益を親会社の出資比率に応じた持分法投資損益として、営業外収支に計上。
《例》親会社が持分法適用会社に2割出資していればその会社の純利益2割を親会社の経常利益に反映させる。
自己資本の増加に直結する純利益
減損会計のしくみ
純利益は、その年度に会社の手元に残った利益です。自己資本(株主価値)を増減させるので、会社を分析するのに重要です。
純税引き前利益は経常利益に特別損益を加えて計算します。
【特別損益】…遊休品などを売却して得られる土地売却益や工場設備の廃棄損など、あくまで臨時(特別)に発生した損益です。この中に減損処理費用も含まれます。
【減損会計】…会社が貸借対照表に計上する資産は、将来の収益に役立つから存在していると考え、資産価値は資産が将来生み出す収益を反映して算出します。
もし、何らかの要因で、その資産が将来にキャッシュフローを生み出す力が減退してしまったら、その価格下落相当分を損失として認識すると同時に貸借対照表上の資産価格も減額しなければならないと考えるのが減損処理です。
税効果会計
特別損益を加えた税引き前利益から、国や地方自治体に支払う法人税等を引いたものが純利益となります。
実効税率は40%程ですので、残りの60%程が純利益として残るはずです。
もしこの関係が当てはまらないときは、何か特殊な要因が絡んでいる可能性が高いと判断できます。その代表例が、税効果会計です。
税効果会計は以下のズレを調整するための処理です。
・財務会計上の利益計算
・税務会計上の所得計算
一株益が株価に大きな影響を与える
『営業利益は会社の実力を表す』と前述しましたが、純利益も大切な指標です。
純利益は会社の『努力の結晶』と表現でき、この結晶は様々なものに使われます。
・個人の家庭→余ったお金の一部が貯蓄に回る
・会社経営→内部留保として毎期の利益を積み重ねる
それは自己資本(株主の財産)を増やし、会社の基礎体力を強化します。
会社が競争力のある製品やサービスをうみだすためには、投資を続ける必要があります。内部留保はこうした将来に向けた投資や、配当など株主還元の原資にもなります。
【一株当たり利益(EPS)=純利益÷発行済み株式数】
上記はPER(株価÷一株利益)を通じ、株価に直結します。
純利益が大きい会社=よい会社
と考えられますが、純利益が大きくても、発行済み株式数が多ければ、一株当たり純利益は少なくなります。
逆に自己株買いなどを実施した場合は、計算対象株式数が減るので、一株利益は多くなります。
四季報では『一株益』と表示しています。
個人投資家が購入しやすくなるように、株式分割を実施して、株価を低くする会社が増えています。
四季報の【業績】では、一株益と一株配は途中に、株式分割があっても増減を時系列で比較できるように数値を調整しています。
銘柄を選択する際は、一株利益の推移も重視すると役立ちます。
まとめ
いかがでしたか?今回、儲かっている会社はどう探すのかについて記事にしました。次回の【第4弾】に続きますので、是非ご覧ください。
次回の【第4弾】記事はこちらからどうぞ♪
これからも役立ち情報を発信していきますので、よろしくお願いします。